JICAで専門性を活かして働くなら「課題部」:社会人採用 or 有期職員を目指す方へ

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はじめに

こんにちは、@Saitaniです。

今回は、ある程度社会経験を得て、専門性を身に着けた後でJICAで働いてみたいな、と考えている方向けに情報発信をしようと思います。

例えば、①社会人採用で、JICA職員になる際にどこの部署で専門性がより活かせるのか、②複数の有期雇用ポストが募集されているが、上記のような人にとってどこの部署が良いのか、という疑問を持っている人に多少有益であればと思っています。

将来的には、JICAにもっと専門性を持った人が増えれば良いなと思い今回の記事を書くことにしました。

JICAで専門性のある部とは?

JICA内で比較的専門性の高い部署と言えば、恐らく「課題部」が挙げられると思います。

JICA組織内には様々な部署があるのであるが、良く「課題部」と「地域部」という分け方を耳にします。恐らくこの2つが規模的に大きいからだと思います。地域部には「東南アジア・大洋州部」、「東・中央アジア部」、「南アジア部」、「中南米部」、「アフリカ部」、「中東・欧州部」があり、各部の中に複数の課があり、各課で特定の国の案件全般(主に有償資金協力=円借款)を担当しています。

課題部という表現は、私自身はJICAに入構してから知りましたが、以下の部署が該当します。

(参考:office_work_20210401.pdf (jica.go.jp)

(部署名) (専門分野)
ガバナンス・平和構築部:行政、法律、平和構築、貧困削減、ジェンダー、DX
人間開発部:教育、保健、栄養
経済開発部:農業、産業、貿易、観光
社会基盤部:都市計画、港湾、道路、鉄道、橋梁、航空、エネルギー
地球環境部:森林、環境、水資源、災害、気候変動

出典:JICA組織図(2021年4月1日時点)(organization_20210401.pdf (jica.go.jp)

「課題部」以外で専門性の高い部署として忘れてならないのが「緒方貞子平和開発研究所」です。

「緒方貞子平和開発研究所」は、「平和開発」という文言が入っているので、課題部の「ガバナンス・平和構築部」の研究機関と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、課題部の担当する専門分野全体が研究対象になっているように思います。

※「緒方貞子平和開発研究所」は、有期雇用のポストをそもそも見たことがありません。

ただし、割合としては、やはり「ガバナンス・平和構築部」の専門分野が多いようです。
(参考:開発課題から探す | 出版物 – JICA緒方研究所)

「課題部」vs「地域部」

タイトルが少し誤解を与えてしまいそうですが、専門性という観点で比較することを意図して、この小タイトル名にしています。

課題部は主に、各分野の案件をコンサルタントや専門家との協議をしながら業務管理を行います。ですので、専門的な内容、担当するプロジェクトに関わる分野(例:経済分析、環境社会配慮、財務分析は良く含まれる)について理解していく、あるいは理解していることが求められます。

私はかつて、課題部のプロジェクトを受注する開発コンサルタント会社でプロジェクトの1専門分野を担当し、担当分野の質の向上を志していましたが、JICAの課題部ではより広い視野でプロジェクトの質全体の向上を追求していくことができると感じています。

コンサルタントだと総括、副総括にならないと干渉しずらい部分だと思います。

一方、地域部は、国担当で課が分かれていますが、分野に応じてさらにチーム分けされていますので、必ずしも専門分野を活かせない訳ではないと思います。

ただ、地域部の役割が「政治・経済状況や開発課題を分野横断的に把握・分析しながら、地域・国毎の最適な協力戦略の策定に携わります」(出典:JICAの機能 | 独立行政法人 国際協力機構 JICA 採用サイト)であることを考えると、国毎(>各プロジェクト)のより広い分野知識(1つの課題部が担当する知識よりも広い)が必要になることから、各専門性の深度はやはり「課題部」よりは浅くなりそうです。

「課題部」職員の専門性

JICAの中で「課題部」の職員の専門性が高そうであることはなんとなく伝えられたかなと思います。

ただご存知の方も多いかも知れませんが、JICAにはローテーション制度があり、「課題部」も例外ではありません。

つまり、定期的に「課題部」の正規職員は異動します。。。そのため、「課題部」の職員の専門性は常に担保できるのか?という疑問が生じるかも知れません。

上記の疑問について、才谷調査では課題部の多くの職員が担当する分野に関係する学士、修士号を持っています。人によっては課題部に異動したいがために担当したい分野の修士課程に休職して進学したり、働きながら修士課程に進学したりする人もいます。

JICAの中でも、「課題部」に異動したい人は多いらしく、それなりの実績、経験がないと難しいようです。

一方で、実績・経験ではなく「比較的辛い部署、業務を担当していた人」は次回の異動先を本人の希望に沿ったところに異動させてもらえるような非公式な措置もあるようで、若干名専門性を持たない人もいたりします。

また課題部の管理職の多くは、基本JICAキャリア中に複数回課題部を経験される方が多いようですので、ある程度「課題部」内での専門性は担保されているように思います。

課題部を複数回経験している管理職は、大体「技術士」を持っています。。。

まとめ

上記のような理由から、専門性を活かして、社会人採用あるいは有期職員(ジュニア専門員、専門嘱託、特別嘱託)としてJICAで働きたい人には、私は「課題部」をおすすめします。

一方で、ジェネラリストを目指す、あるいは特定の国の成長に貢献したい!ような方には地域部があっているのかなと思います。

特定の国の成長に貢献したい場合は在外事務所が1番理想だと思いますが、JICA本部で働く場合は「地域部」が良いのかなと思います。

社会人採用を目指す方は、ローテーションがありますが、「これまでの経験を具体的にJICAのどの部署でより活かせのか」という点をアピールする上で、多少有益になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの才谷です。
国内外の旅行(バックパッカー)、英語学習、留学、海外就職について記載しています。現在は国際機関への就職を目指しています。

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