開発コンサルタント会社選びのポイント:規模による違い、事前に確認すべきこと

こんにちわ! 才谷(@Saitani_UK)です。

今回は、開発コンサルタント業界を目指す人にどんなポイントに留意して開発コンサルタント会社を選ぶと良いかを紹介します。

目次

はじめに

前回記載の開発コンサルタントに関する記事が少し、アクセスがあったので、続編を記載することにしました。

大手開発コンサルタント会社と小規模の開発コンサルタントを比較して、実際に入社した後のイメージや就活でのOB・OG訪問でどんなことを確認した方が良いかを考えてもらえるような記事にしたいと思います。

若干の業界用語を使用しているので、不明な方は、以前の記事を合わせて読んでいただくと理解しやすいかも知れません。

大手開発コンサルタント会社 vs 小規模開発コンサルタント会社

開発コンサルタント会社と建設コンサルタント会社の関係性

前回記事の復習にもなりますが、開発コンサルタント会社=海外の主に建設関係の業務を実施する会社、建設コンサルタント会社=日本国内の建設関係の業務を実施する会社です。

開発コンサルタントにも4大〇〇のように言われる、いわゆる大手開発コンサルタント会社があります。

基本的に、大手建設コンサルタント会社は、開発コンサルタント業界においても規模が大きいというのがポイントです。

※分野別や、海外業務のクライアント別に見ると、この限りではありません。

具体的には、下記4社が大手開発コンサルタント会社です。

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ちなみに、(株)オリエンタルコンサルタンツグローバル(通称:OCG)と(株)オリエンタルコンサルタンツ(通称:オリコン)は別会社で、前者が海外業務のみを扱っており、後者が国内の業務を行っています。

建設コンサルタント会社と開発コンサルタント会社の規模に相関性が高い理由が、国内の部署(建設コンサルタント)から海外業務(開発コンサルタント)に人員を補填することが多いことが挙げられます。

したがって、建設コンサルタントに就職しても、海外業務に関われる可能性は大いにあります。(逆に、関わりたくなくても関わることも多そう)。

大手の開発コンサルタント会社の場合、新卒には入社が数年は国内部署に社内出向させ、その後海外業務に参加させることも多いです。

大手開発コンサルタント会社のメリット

大手コンサルタント会社のメリット

上記に挙げた大きい開発コンサルタントに就職した場合のメリットとして考えつくのが下記3点です。

・社内の規定等がしっかりしている(例:労働時間、海外出張手当が若干良い等)
・海外の業績が悪くても、ボーナスにそれほど響かない
・幅広い業務に関われる

①社内の規定等がしっかりしている(例:労働時間、海外出張手当が若干良い等)

1点目に関しては、海外出張が多いと労働時間の管理というのが複雑になってきます。

例えば、海外への移動時間は労働時間に含むのか、海外に到着あるいは海外から出発した日に労働した場合、労働時間はどうなるのか等、開発コンサルタント会社間でも多少ルールが異なります。

大手の開発コンサルタント会社では、上記のような細かいところまで検討されている傾向があり、労働時間の管理、残業代の支給が小規模の開発コンサルタント会社よりもしっかりしているイメージがあります。

海外出張手当に関しては、サンプル数が少ないのと本当に若干の違いだと思うので、参考程度に捉えていただくと良いかと。。。

②海外の業績が悪くても、ボーナスにそれほど響かない

2点目は、コロナの時に顕在化しました。

コロナにより海外出張が行えなくなり、海外業務の進捗が急激に遅くなりました。

同時に新規の海外案件も少なく、海外業務の業績はかなり悪化しました。

一般的に、開発コンサルタントは、海外出張がある≒会社として利益が上がっている、ので海外出張ができないというのは開発コンサルタント会社には大打撃だと思います。

ですが、大手の場合、いつもは海外業務をやっている人員が国内業務を手伝うor国内の人と連携して国内業務を取ることができ、会社全体としてはそれほど利益が下がらなった→ボーナスが下がりにくい傾向があります。

小規模な開発コンサルタント会社で、国内業務に実績がない会社だと、コロナによるボーナスの影響は大きかったのではないかと思います。

③幅広い業務に関われる

3点目は、大手コンサルタント会社は、多分野で業務を展開していることが多いため、例えば「A分野を入社時に専門としていたけでも、B分野にも興味があるので、次回関わらせて欲しい」的なことができたりします。

一方で、小さい開発コンサルタントは分野スペシャリストであることが多く、その分野を極めたい人には、小さい開発コンサルタントの方が良いのかなと思います。

大手会社のデメリット

一方で大手開発コンサルタント会社のデメリットは、

・若手はロジ業務が多い
・上司の国際協力に対する意識が低め
・上司の英語能力が低め

若手はロジ業務が多い

1点目は、海外業務の取り方に関係します。

一般に海外の業務では、1社で全ての業務を行うということの方が稀であり、大体は大手開発コンサルタントがプライムと呼ばれる発注者と直接契約する主体になります。

その後、他の開発コンサルタントに任せる分野ごとに業務委託をしていきます。

そして、ロジ業務というのは基本的には、プライム会社の若手が行うというのが暗黙の了解?です。

※複数の開発コンサルタントが1つの海外業務を担当する場合、各社の若手がロジ業務を担当したり、そもそも小さい規模の開発コンサルタントがプライムになるケースもあります。

②上司の国際協力に対する意識が低め

2点目は、大手開発コンサルタント会社の場合、国内の部署の管理職やリタイアされた方海外の部署・会社に異動することが多いからかな、と思っています。

この点は、国際機関で働いている人からも、「国際機関で働いている人の全てが、開発途上国の支援に情熱を持っているわけではない」という話を伺ったことがあります。

もちろん素晴らしい年配の上司もいるのですが、情熱に溢れて開発コンサルタントを目指したのに、周りの年配の方の意識の違いにショックを受ける若手が多いのも事実です。

参考までに私が今まで会った年配の方の海外部署・会社に移った動機をお知らせしておきます。笑
(要は、途上国支援が主な目的ではない人も多い)

・家庭で居場所がない
・会社の国内部署で居場所がない
・遊びたい

③上司の英語能力が低め

3点目は、小さい開発コンサルタント会社の方は、担当する分野については対象国政府の関係団体へのヒアリング、交渉等を単独で行えるくらいの英語能力を持った方が多い印象を持っています。

※そのため、新卒でも中途でも小さい開発コンサルタントの方が、英語能力の要件は高い傾向にあります。

一方で、大手の場合だと、少なくとも1分野には通訳が必要な方がいることが多い傾向があり、結果的にプライムが担当する分野のヒアリング、交渉には通訳さんを通すみたいなこともあります。

まとめ

今回の記事を通じて、なんとなく規模の違いによる開発コンサルタントの特徴の違い、予想される仕事のイメージが分かったら幸いです。

実際に開発コンサルタント業界に興味を持ち、どこかの開発コンサルタント会社の人に話を伺う機会がある方は、①社内出向の有無、②プライム業務の割合、③希望する分野のどういったところが強み、③発注者(JICA、現地政府、国際機関)等、聞いてみると良いかもしれません。

途上国支援に関わりたいけど、どうやって関わるのか少し模索したい人、ワークライフバランスへの比重が高い方は、大手開発コンサルタント会社の方が良いかも知れません。

一方、分野スペシャリストになりたい人は、小規模開発コンサルタント会社を第一候補に、大手コンサルタント会社を受けるのが良いのかなと思います。

小規模開発コンサルタント会社は、一般に新卒の採用人数が少ない狭き門なので、注意してください。

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この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの才谷です。
国内外の旅行(バックパッカー)、英語学習、留学、海外就職について記載しています。現在は国際機関への就職を目指しています。

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