海外経験を積む最初の一歩:理系大学生/大学院生のための海外インターンシップ

こんにちわ! 才谷(@Saitani_UK)です。

今回は、海外での経験を積もうと模索していた大学生の私が挑戦した海外インターンについて紹介します。

目次

はじめに

今回は、日本の大学、大学院に通いながら、海外インターンシップを通して海外経験を得たい人に向けて書きます。

特に今回の記事で紹介する’IAESTE’では、理系の学部、大学院に所属する学生を対象にする知る人ぞ知る機会になります。

下記に該当するような方は、応募を真剣に考えてみてはどうでしょうか。

①海外でやっていけるのか不安な方(生活環境面、語学面)
②同年代の海外の学生のレベルの高さを知りたい方
③海外で働くイメージをより具体化したい方

海外インターンをするために

海外インターンをするためには、いくつか方法があります。

1つ目は、インターネット等から検索して、募集している企業、機関へ直接申し込む方法です。

こちらは、100%ではないと思いますが、応募する企業、機関へのコネクションがかなり重要であり、そのような理由から結果的に現地の大学生、大学院生が優遇される場合が多いと思います。(コネがないと、そもそも書類に目を通されないことも。。。)

日本の大学、大学院でも海外の企業、機関にコネのある教授と親密だったりすると、この方法が有利だと思います。

2つ目は、海外インターンシップを斡旋している組織に登録し、そこからインターンシップを紹介してもらう方法です。

私が知っている海外インターンシップを斡旋している組織は、‘AIESEC’‘IAESTE’です。

AIESECは、”Global Volunteer”と”Global Talent”という2つの枠組みがあり、前者が国際機関が担当しているような業務内容を実施することを目的にしているため、派遣先は海外のNPOまたはNGOになることが多いようです。

後者は、専門性を磨くことにより注力しているようで、海外の一般企業等になるようです。

一方で、私がかつて参加したIAESTEは、世界中(日本を含む)のIAESTEの事業に協力してくれる企業でインターンシップをする機会になります。

※ちなみに日本の企業で、海外からのIAESTE生を受け入れている会社は以下になります。

株式会社KDDI研究所
一般財団法人計量計画研究所
東京急行電鉄株式会社
オリンパス株式会社
三洋化成工業株式会社
株式会社日立製作所
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所
アズビル株式会社
アルプスアルパイン株式会社
株式会社沖データ
プレティア株式会社
東京大学
東北大学
横浜国立大学
九州大学
東京都立大学
東京理科大学
大阪工業大学

会員一覧 (iaeste.or.jp)

理系の学生に特化した事業ということもあり、海外の大学に派遣され研究をする学生もいれば、私のように海外の一般企業に派遣され、普通に働く学生もいます。

AIESECとIAESTEの違いは、

【AIESEC】
・理系、文系問わず応募可能
・基本的に無給

【IAESTE】
・理系学生に特化したプログラム
・現地での滞在費は、現地企業、組織から支給される
・UNESCO等の国際機関からの協力、援助を受けている

参考URL

あわせて読みたい
aiesecjp-web AIESEC in Japan official website
あわせて読みたい
Work. Experience. Discover. The International Association for Exchange of Students for Technical Experience

IAESTE(イアエステ)の仕組み

私は、IAESTEしか経験していないため、ここからはIAESTEのみについて記載していきます。

IAESTEは、基本的に日本から学生が10人派遣することになっていたら、海外からも10人の学生を日本の企業等が受け入れなければなりません。

ただし、日本の学生か海外の学生がもらったオファーを断ったりした場合は、必ずしもそうではないと思います。

上記を踏まえて、ACオファーとCOBE/FCFS オファーの違いを見ると少し全体像が見えると思います。

選考過程(書類選考&面接)

若干システムが変更になっている可能性もありますが、まずは日本のIAESTE派遣候補生(ACオファー希望学生 or COBE/FCFS オファー希望学生)にならなければなりません。

※ちなみに、ACオファーとCOBE/FCFS オファーの違いは下記の通りです。

AC オファー(Annual Conference オファーの略)
・Annual Conference(国際総会)で応募学生の希望条件に最も近いオファーを獲得し国際総会後の 2 月に 1 名の学生につき1つアサインします。一人一人の学生のために獲得するオファーで他の応募者(競争相手)がいないためインターンシップが決まる可能性が高いオファー。

・3 月 15 日までに受入れ機関にノミネーション書類を提出し受入れ結果を待ちます。仮に審査で受入れ不可となった場合は次に記載するオープンオファーから希望オファーを探して応募を続ける事ができます。最初にアサインされた AC オファーを拒否してオープンオファーへ変更する事は原則として認められません

IAESTE 海外インターンシップ 2022 年度派遣生 募集要項

COBE オファー(Continuous Online Basis Exchange オファーの略)
・年間を通して IAESTE 共通システム(IAESTE Exchange Platform)に公開されるオファー。多い時期には 600 を超えます。オファーの必要条件を満たしていれば複数のオファーに応募できます。自分が行きたい時期にExchange Platform に掲載されている希望のオファーに無制限に応募することができます。公開されてから 2 週間後に応募締切になるオファーが多いのでノミネーション書類を速やかに用意する必要があります。
・時期によりオファー数に変動があります。通常、5-6 月に最多となり夏期に減少、また秋から冬に出ます。
・コンピュータサイエンス分野のオファーが多数あります。
・オファーにより他国から複数の応募がある場合、一番スキルの高い学生が選ばれます。1つのオファーに対して1つの国から 1 名の学生しか応募できないため国内で複数の希望者がいる場合は必要スキル、英語能力、専門分野の単位数と成績証明を勘案し、必要条件を最も満たしている学生を事務局で選抜します。
学部 2 年修了のオファー生物系、都市計画のオファーは比較的少ないため、該当学生は AC オファーをお勧めします。
・REMOTE インターンシップ(日本にいながら行う研修)が COBE オファーとして公開されます。4~12 週間の期間で、滞在費等の支給金が無い場合が多いです。

IAESTE 海外インターンシップ 2022 年度派遣生 募集要項

(基本的にはACオファーを希望した方が良く、英語能力に自信のある人やオファーの多い分野を勉強している人はCOBEオファーが良いのかな?)

IAESTEの派遣候補生になるためには、下記の書類を揃える必要があります。

① 申請書(顔写真(3.5×4.5cm)貼付)
② 志望理由書(日本語と英語)
③ 英文履歴書(書式自由。A4 紙 2 ページ以内にまとめること)
④ 英文在学証明書ならびに英文成績証明書(原本はその後必要になるので本人で保管)
⑤ 英語能力証明書(コピー可)TOEFL iBT62 以上、TOEFL ITP503 以上、IELTS5.5 以上、ケンブリッジ英検 FCE 以上、英検準 1 級以上、TOEIC Listening/reading600、TOEIC Speaking/Writing240 以上のいずれかに達していること。(原則として、有効期限のある場合は、有効期限内のものとする)

∗ 海外 IAESTE では TOEFL,IELTS,ケンブリッジ英検 FCE のスコアで英語能力を評価するケースが多い。オーストリアのインターンシップは TOEIC スコアは無効
⑥ 手数料振込控のコピー(ATM 利用明細書でも可。A4 紙にコピーのこと)

IAESTE 海外インターンシップ 2022 年度派遣生 募集要項

私の時は、書類審査に小論文があったり、書類審査通過後に慶応大学で英語での面接がありましたが、現在は所属大学のIAESTE担当教授と話し合い、決めるようですね。

恐らく、IAESTEの派遣候補生には応募すれば基本的に皆なれるけども、良いオファーを得られるかはわからないといったところでしょうか。

IAESTEの派遣候補生になったら

募集要項に詳細は記載されていないため、今の流れとは異なるかも知れませんが、私がIAESTE派遣候補生になった時の流れを記載します。

IAESTEの派遣候補生になると、いくつかの国や企業等からオファーというものを受け取ります。(最低でも1つはもらえると思います)

オファーは基本的に、1か月前後が多く、長いものだと数か月のオファーもありました。(そのため一部の海外の学生は、休学して参加しています)

※私の時代は、女性は安全面の理由から欧州に派遣される機会が多いと聞きました。私はアフリカからしかオファーもらえず笑

興味のあるオファー(仕事内容等)をもらった場合は、Cover Letterを作成し、CVと一緒にオファーをもらった企業に送付し、”Accept Letter”が来るのを待ちます。

”Accept Letter”をもらえれば、海外インターン確定です。

インターン中の生活

謎の多い、海外インターンシップ生活ですが、IAESTEで派遣された学生の日常は下記から、垣間見ることができます。

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※言うまでもなく、派遣された国、派遣された企業等によっても生活は大きく変わると思います。

私は、毎日仕事場には行ってましたが、先方がほとんど英語が喋れなかったこと、当時私のCADスキルがいまいちなこともあり、あまり仕事らしい仕事はできませんでした。(同じ企業に派遣されたレバノン人のIAESTE候補生や、同じくインターン出来ていた現地の学生の方にコミュニケーションの面でとても助けられました)

私にとっては、仕事で得た経験よりも、仕事の後や土日に、同じアパートに住む他国のIAESTE派遣候補生(30人程度)とどこかに出掛けたり、喋ったことがとても楽しく、刺激的でした。

この時に感じた、欧州の学生(特にデンマーク人)の技術力、しっかりした物言いに関心を持ち、留学の必要性を感じました。

また私は、ラマダンの途中から直後の期間にチュニジアに派遣されていたので、日中は食事を取ることも困難でしたが、今ではあの経験があったからこそ、世界のどんな国でも働ける、みたいな自負が生まれました。笑

最後に

日本国内の大学、大学院に在籍していても、海外での経験を得ることは可能です。

ただ、情報があまりオープンではありません

今回紹介した、海外インターンですが、人によってはハードルが高いと感じるかもしれませんが、そんなことはありません。

募集要項を見てわかる通り、他国のIAESTE学生の英語能力はかなり高かったですが、日本人のIAESTE学生に求められている英語能力は、それほど高くありません

私自身も、当時はTOEIC750程度だったと思いますし、IAESTEに行ったからこそ英語学習にさらに火が付き、留学の必要性を感じました。

既にかなり海外に興味のある人はもちろんですが、このIAESTEを通じた海外インターンは、海外に少しだけ興味のある方が技術者としての視野や将来の可能性を広げるのにもとても役に立つ機会だと思い、記事のタイトルも「海外経験を積む最初の一歩」と題してみました。

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この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの才谷です。
国内外の旅行(バックパッカー)、英語学習、留学、海外就職について記載しています。現在は国際機関への就職を目指しています。

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