途上国の実務で感じた“アカデミア”の必要性とメリット:国際協力の現場から考える

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はじめに

こんにちわ。Saitaniです。

私がこれまで途上国で実際に働いてきた中で、アカデミックな人達にもっと途上国支援業界に興味を持ってもらいたいと思うようになりました。

そのためには、制度面等も変えていかなければならないと思います。

また、1コンサルタントでできることは、ToR(Term of Reference)の点からも、技術力的にも限界があるのが実情だと思いますが、今回おすすめするJICA長期専門家であれば、できることはより多いと思います。また、ご自身の研究実績や研究範囲を広げるという点でもメリットがあると思います。

個人的には、研究等が好きあるいは経験のある人は1コンサルタントになるよりも、責任範囲が柔軟なJICAの長期専門家がおすすめです。

なぜアカデミックな人が必要なのか?

JICA長期専門家にも、もちろんToRがあるのですが、良くも悪くもToRには厳格な指標等が定められていないことが多いと思います。

というのも、現場の状況、ハイブリット案件(※)の場合は他チームやコンサルタントの活動に応じて、柔軟に求められる活動を調整あるいは変更していくことが必要になることがあります。

ハイブリット案件というのは、長期専門家とコンサルタントが協力して取り組むプロジェクトを指します。プロジェクトの目標は基本同じですが、成果や活動内容については部分的に共有したり、全く別の場合もあります。

そうした柔軟な対応は、現場に常駐しているJICA長期専門家が行うのが適任だと思いますし、仮に必要なことであっても契約変更等をしない限り基本コンサルタントはToRに記載されていないことはやれません or やりません。

本当に必要な、ある程度大きな変更の場合は契約書の変更を行いコンサルタントのToRに含めます。この場合、基本的には現場で活動しているコンサルタントが新たな作業が必要と判断した場合は、コンサルタントからJICAに相談しなければなりませんが、コンサル側は他業務との兼ね合いでメンバーのアサインを増やせないこともありますし、専門性が異なる(社内に適材な人材がいない)等の理由でそういう相談が発生しないこともあります。

そうした時にJICA長期専門家が引き取けることもできますが、万能ではないのでできないことも多いかと思います。私は自分の専門分野内でよりできることを増やしたいと思っていたので、そういった内容の業務等は積極的に引き受けていました。

そうした時に役立つのが、「リサーチスキル」です。私は経験したことがない検討については、直近の研究や赴任地周辺で同様な研究がないかを調べ、課題の背景、トレンド、問題の根源、検討方法、解決策等を調査、検討していました。

私は留学時代、年間約200本の論文を読んでいたことや、自分の専門分野を広げようと課題の選択をしていたので、その経験が役に立ったと思います。特に、英語の資料のレビューや統計学的アプローチができると、途上国固有の問題等を把握でき、データに基づいた提案ができます。

そうした検討、提案をした結果、カウンタパート内で信頼を得られるきっかけとなり、現地の政策に繋がっりしました。

JICA長期専門家の門戸を広く

以前、少し記載したのですが、JICA長期専門家になる方法は基本的に①政府機関の方やJICA職員が休職して派遣されるか、②外部から有期雇用として採用するかの2パターンしかありません。

基本的にJICA長期専門家のポストは、ある程度の実務経験が求められていることが多く、博士課程後期を終了した人でも実務経験が全くない場合は、要件を満たさないのではと思います。

博士課程後期の方や修士課程修了の人で今後アカデミックな分野に進んでいきたい、あるいは興味がある人(査読論文を社会人になってから提出している人等)がJICA長期専門家になれるような仕組みをJICAが作るべきだと思っています。

結果的に、そういう経験者が増えることで、JICAの支援を受けて途上国から日本に留学する人を受け入れる大学院が増えたりする可能性も期待できるので、Win-Winなのではないかと思います。

研究者としてのJICA長期専門家の魅力

研究者から見てもJICA長期専門家の立場にはメリットがあります。

1つは、金銭面です。

これは、研究者に限ったことではありませんし、経験年数にも寄りますが、一般的なポスドクよりも圧倒的に給料は良いと思います。

2つ目は、前述の通り専門性を広げられる可能性が高いです。

これは、その人のモチベーション次第になりますが、途上国は問題に溢れており、問題の根源は何か?、なぜうまく行かないのか?等と追及していくうちに専門性が広がっていきやすいのではと思います。

日本は、実務も研究もかなり縦割りだと思いますので、少し専門分野の守備範囲を広げたい人にはいい機会、実績作りになると思います。

私はコンサル時代に、ある分析・作業が得意だったことと、それなりにその案件が世の中にあったことから、その分析が必要なプロジェクトばかりにアサインされており、もっといろんなこと・大きな画を書きたいなと思って留学を決意しました。

3つ目は、2つ目の発展版とも言うべきなのですが、研究実績を残せる

私自身は、2年間のアサインで海外の査読論文に2本研究を掲載することができました。掲載された理由として想定されるのは、地域的なユニークさと実務的な価値が評価されたのではないかと思います。

ある程度発展した途上国での研究は簡単に見つかるのですが、教育レベルが低い国、特にLeast Developing Countries(最貧国)をケーススタディにした研究は分析結果はもとより、調査手法における工夫や事前調査、関係者との調整という部分でもかなりユニークになることが多いのではないかと思いますし、価値があるのではないかと思います。

最後に

今回は、アカデミックの人たちを途上国支援業界にもっと参入してもらうことで、①カウンターパート側のメリット、②JICA側のメリット、③研究者側のメリットを記載しました。

いろいろな立場を経験させていただいた私にだからこそできる提言だとは思うものの間口を広げてもらうのは中々難しい気がします。。。

この記事を読んで、ご興味を持っていただいた方の中から、大学側からJICAへアプローチしていただいたり、JICA内で上記のようなことを検討してくれる人がいることを切に願っています!

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この記事を書いた人

日本生まれ日本育ちの才谷です。
国内外の旅行(バックパッカー)、英語学習、留学、海外就職について記載しています。現在は国際機関への就職を目指しています。

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