はじめに
こんにちは。Saitaniです。
今回の記事は、
海外赴任
国際機関勤務
JICA専門家
海外企業転職
を予定している日本人向けに、国外転出届、住民税、国民健康保険、年金、証券口座への影響を整理したものです。
いざ、日本を離れて海外で長期間あるいは短期間働くとなると、海外転出届、税金関係、投資関係等どうするのか迷う人は意外と多いのではないでしょうか。
先日、ファイナンシャルプランナー2級を取得し、少し税金関係について理解が深まりましたので、海外に行く際の行政手続き等を整理したいと思います。

国外転出届ってそもそもどんな時に出すの?
国外転出届は、基本的には「海外に1年以上滞在するときに提出」します。
提出方法は、窓口か郵送ができるようですが、マイナンバーカードを引き続き利用する場合は、窓口での申請が必要になります。
オンライン申請は2026年5月時点では対応できていないようです。
最近は、運転免許を取得しない人・更新しない人、健康保険証のマイナ保険証への移行、パスポートに記載した住所が現住所とは異なる等、日本での身分証明書として有効なマイナンバーカードを所持していることは重要だなと思います。
また、申請期間は、出国日2週間前から可能です。「国外転出後もマイナンバーカードを継続して利用するときは、出国日前日までにお住まいの区の区役所戸籍課窓口において、マイナンバーカードの継続利用手続が必要」(窓口での転出届(国外への引越し) 横浜市)とのことです。

国外転出に伴う税金・社会保険の取扱い
国外転出届は住民登録上の手続であり、所得税法上の居住者・非居住者の判定を直接決めるものではありません。所得税上の区分は、国内外の住居、職業、家族、資産などを踏まえ、生活の本拠がどこにあるかによって判断されます。
一方、国外への転出により、原則として国民健康保険や国民年金第1号被保険者の資格は喪失します。つまり、国民健康保険と国民年金の支払い義務はなくなります。
所得税
所得税については、留学の場合はそもそも収入がないので発生しないので、国外転出届を出しても出さなくても影響はありません。JICAの長期専門家や国連正職員等で収入が非課税扱いとなる場合は、国外転出届の有無に関わらず所得税は課税されません。
国連STCや海外で短期で働くような人で、国外転出届を申請しない場合で、外国で所得税を負担した場合には、日本で外国税額控除を受けられる可能性がありますが、控除限度額や申告手続をすることで、外国税額の一部あるいは全部が控除されます。
183日ルールは国や租税条約によって用いられる基準の一つですが、日本の所得税上の居住者判定は滞在日数だけでは決まりません。
住民税
住民税については、「1月1日時点で住所のある人が住所地の市町村に納税義務が発生」(総務省|地方税制度|個人住民税)します。なので、2026年の1月1日時点で日本にいた場合は、2026年の何月に出国したに関わらず1年分の住民税が課されます。
一方、1月1日時点で日本国内に住所がなければ、原則としてその年に課税される個人住民税の納税義務は生じません。
課税のタイミングで契約期間を変えられるほど柔軟ではないですが、仮に12月に国外転出、国内転入時期が翌年、翌々年。。。の1月とかだと住民税は抑えられます。
住民税には所得に応じて課税金額が変わる所得割と都道府県/市町村町で一律に徴収する均等割(道府県民税が1,000円、市町村民税が3,000円)があり、市町村によって多少異なります。(【2026年5月最新】全国の住民税の税率一覧(所得割・均等割)とランキング表【都道府県・市区町村別】 | アカウントエージェント株式会社)
国民健康保険
ここが最も金額的に大きいです。国民健康保険は、日本国内に住所があり、勤務先の健康保険など他の公的医療保険に加入していない人などが原則として対象となります。したがって、国外転出届を出した場合、加入義務は発生しません。
一方、国連のshort-term consultantや海外の会社に勤務する方で、延長オプションはあるものの契約上1年に満たない場合は、国外転出届の要件を満たさず、加入義務が生じる可能性があります。
仮に1年未満の契約であっても今後延長する可能性や他のポジションにスライドする可能性はあると思いますので、自治体の職員の方と相談し、対象となるか確認した方が良いと思います。
国民健康保険料は、基本的には収入が多いほど料金が増え、自治体によって計算方法は違いますが、収入によっては年間数十万円以上になるケースもあります。40~64歳の加入者については、介護納付金分も保険料に加算されます。(参考:r7_64ika_kyuuyo.pdf)
国民年金
国民年金については、いろいろ議論はあれど、基本的には将来的に返ってくるため、資産として考えています。
国外転出届を提出した場合は、もちろん支払い義務はなくなりますが、加入月数は減るので将来的にもらえる年金は減ります。なので、人によっては、国外転出届提出後も任意で加入する人もいるようです。
証券口座は海外でも使えるのか?
楽天証券の場合、「日本非居住者となる場合、当社口座でお取引することによりお客様が出国先の国の法令に抵触する可能性があります。」(海外出国のお手続き | 楽天証券)ということで、基本的には国外転出届を提出したら証券口座の多くの機能が使えなくなります。
国外出国後でも使える機能としては、国内の株式等のみ売却可能、配当の受取くらいに限られるようです。
最後に
書いてみて改めて思いましたが、やはり手続きは複雑です。
海外赴任をしていると、国外転出届を出していない人をまれに見かけますが、上記のようなことを知っていると知らないとでは、数年後に大きな差が生まれる可能性もあります。
なかなか文章ではわかりにくい部分や、自治体によって変わる部分もあると思いますので、上記のキーワードを調べて、必要な手続きを準備していただければと思います。



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